粉体輸送とは?設備選びで失敗しないための5つのチェックポイント
- シロタテップ株式会社
- 4月9日
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粉体輸送は、あらゆる製造業において欠かせない重要な工程です。特に食品・医薬・化学・建材などの業界では、粉末原料を効率よく、かつ衛生的に搬送することが求められます。
しかし、粉体は液体や固体と違い、粒径・流動性・付着性といった特性が非常に繊細であり、輸送方法や設備選定を誤ると、詰まりや飛散、品質トラブルの原因になります。
この記事では、粉体輸送の基本的な種類と、それぞれの特徴、そして現場に最適な装置を選ぶための5つのチェックポイントをわかりやすく解説します。
粉体輸送の主な方式とは?
① 空気輸送(気送)
圧縮空気や真空を使って粉体を配管内に移動させる方式。非接触で搬送できるため衛生的で、粉塵が発生しにくく、長距離や高所への搬送にも適しています。食品や医薬品業界に多く導入されています。
② スクリュー搬送
スクリュー(螺旋)を回転させて粉体を押し出す方式。短距離・低コストで導入でき、構造がシンプルなためメンテナンス性にも優れています。ただし、付着性のある粉体や長距離にはやや不向きです。
③ バケットエレベータ
バケット(容器)に粉体をすくい上げて搬送する垂直搬送装置。大量搬送に向いており、貯蔵タンクとの連携で使われます。
④ ベルトコンベア
粉体をベルト上で運ぶ方式。粉体の飛散や漏れを防ぐカバー付きの仕様もありますが、食品・薬品向けには不向きなケースもあります。
設備選びで失敗しないための5つのチェックポイント
1. 搬送する粉体の性質を正確に把握する
- 粒径・比重・流動性・付着性・吸湿性・静電気の影響など、粉体ごとの特徴を確認しましょう。これによって、最適な搬送方式が異なります。
2. 搬送距離・高さ・ルートの構造
- 長距離・高所搬送であれば空気輸送が有利。逆に短距離や水平移動であればスクリューなども検討可能。配管レイアウトの自由度も重要です。
3. 搬送スピードと処理能力
- 必要な処理量(kg/hやt/day)に応じて、システム全体の能力を計算することが必要です。過剰な能力はコスト過多になり、逆に不足すれば生産に支障が出ます。
4. 清掃性・メンテナンス性
- 食品・薬品業界では洗浄性が非常に重要です。分解清掃が容易か、工具レス対応か、CIP対応かなど、衛生設計に配慮した装置を選びましょう。
5. 異物混入・粉塵飛散のリスク対策
- 密閉型の空気搬送装置は異物混入や飛散リスクを抑えられます。また、防爆・除電設計が必要な場合もあるため、安全対策を含めた装置選定が求められます。
【導入事例】空気輸送で年間ダウンタイムをゼロに
ある健康食品メーカーでは、手投入+スクリュー搬送を行っていましたが、付着性の高い粉体の詰まりやライン停止が頻発していました。 →負圧式の空気輸送システムへ移行。 結果、月3回あった清掃停止がゼロになり、作業者の負担も大きく軽減。導入半年で回収コストを超える成果を得られました。
まとめ|搬送は「見えないインフラ」こそ重要
粉体搬送は、普段あまり意識されにくい工程かもしれませんが、実は製品の品質や工場の安定稼働を支える「縁の下の力持ち」です。 誤った設備選定は、後から大きな修正コストを生むこともあります。
シロタテップでは現場に合わせた最適提案を実施中
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